スイカというと夏の食べ物というイメージがありますが、高知県では冬でも栽培されているスイカがあるんですよ。
そのブランド名は「ルナピエナ」と「アンテナスイカ」で、どちらも夏のスイカに劣らない甘くてジューシーなスイカです。
冬でも甘くておいしいスイカが収穫されるのは、普通とはちょっと違った栽培方法に理由があります。
一体どんな栽培方法でいつ収穫されるのか、販売先や通販でお取り寄せできるのかについてご紹介していきます。
高知県夜須町の「ルナピエナ」とは?
「ルナピエナ」は高知県香南市夜須町で栽培されている冬でも収穫されるスイカです。
イタリア語でルナは「月」、ピエナは「満ちる」という意味で「満月」のことを指しています。
高知の太陽の光をたくさん浴びて大きく育っていくスイカと、夜須町の空に浮かんだ満月がゆっくりと大きくなっていくイメージが生産者の想いと重なり「ルナピエナ」と名づけられたそうですよ。
ルナピエナの糖度は12~13度と甘くて、ジューシーな果肉と歯触りのよいスイカならではのシャキ感があり、色は鮮やかな赤色をしています。
冬なのにどうしてこんなに甘くてみずみずしいスイカができるのかは、珍しい栽培方法に理由があるのです。
ルナピエナの栽培方法
立体栽培で育てる
スイカは通常、土の上にツルを這わせてそこでスイカが育っていく地這い栽培が多いのですが、ルナピエナは立体栽培で空中で吊るされて育てていきます。
つると玉にひもを巻きつけて上から縦に吊るすことで、スイカが宙吊りになり、太陽の光がすべての葉や実にまんべんなく行き渡るようにしているんですね。
アンテナのように長く伸びたつるは1つの苗から1玉だけを空中で実らせた証でもあるんですね。
1株に1玉で育てる
通常のスイカは1つの苗から3~4玉収穫できるのですが、ルナピエナ1本の苗から1つだけしか作りません。
1つのスイカに栄養や旨味が集中するように1玉を残して他の実は獲ってしまいます。
そうすることで残された1玉にすべての栄養や旨味が行き届くので、それはおいしいはずですよね。
手間ひまかけて大切に育てられているのがわかります。
ルナピエナの収穫時期
ルナピエナは1年の中で品種と栽培時期を変えながら出荷されています。
出荷時期は中玉が年間2作(10月中旬~4月中旬)、大玉が年間1作(4月下旬~7月中旬)の計3作を栽培しています。
出荷にあたり、ルナピエナは2段階選別方式によって選別を行い、基準をクリアしたものだけがルナピエナの称号を与えられるのです。
選別では糖度検査後、収穫時に生産者がスイカを1玉1玉叩いて音を確認します。
そして、出荷場でも再度1玉1玉叩いて内部の状態を確認します。
微妙な音の違いを聞き分けて、中の状態を見極めるのは長年の経験がないとできない職人技なんですね。
長年の経験を積んだ熟練者に合格をもらったスイカがルナピエナとして出荷されていきます。
ルナピエナの販売先や通販は可能?
ルナピエナは高知県夜須町の農産物直売所「やすらぎ市」や全国の百貨店・量販店で購入できます。
ネットで手軽に購入したい場合は通販でお取り寄せもできます。
JAグループ高知の「とさごろ」や楽天市場でも購入することができますよ。
⇓ルナピエナ【楽天市場】
高知県夜須町の「アンテナスイカ」とは?
高知県夜須町には冬でも食べられるスイカがもう1つあり、それは江本農園さんが販売している「アンテナスイカ」です。
夜須町には「ルナピエナ」と「アンテナスイカ」の2つのブランドがあり、それぞれの品種は栽培時期によって変わってきます。
アンテナスイカの特長は、なんといっても皮のギリギリのところまで甘いことです。
普通のスイカは中心部の糖度が12度で皮側糖度は6度ほどなのに対し、アンテナスイカの中心糖度は12.5度で皮側糖度は12.2度とほどんど変わらないのです。
この甘さの秘訣はルナピエナと同じ栽培方法にあります。
・立体栽培
・1株に1玉
すべての葉や実にまんべんなく日光があたるように空中に吊られて、1玉に栄養が集中するように作られています。
つるがアンテナのようにピンっと立っているのがその証なんです。
だからこそ皮の際まで甘く、旨味のつまった果肉をおいしくいただけるのですね。
アンテナスイカの販売時期や値段は?
アンテナスイカは年に3回作づけをしていて収穫時期は次のようになっています。
秋…11月上旬~下旬
冬…12月上旬~下旬
真冬…2月中旬~末
春…4月上旬~中旬
また、夏には果肉が黄色い小玉スイカも作ってるので、ほぼ1年中楽しむことができますね。
アンテナスイカは江本農園さんの公式HPや食のSELECTショップ安心堂さんの公式HPでお取り寄せができます。
アンテナスイカの値段は時期によっても違うようですが、2022年4月収穫の春のアンテナスイカは税込3,800円になっています。(江本農園さんのHPより)
夏にスーパーで売られているスイカと比べれば値段は高めですが、珍しい冬のスイカであることや手間ひまかけて大切に育てられていると思うとゆっくり味わいながら食べたいですね。
まとめ
高知県夜須町のブランドスイカ「ルナピエナ」と「アンテナスイカ」は冬に食べられる珍しいスイカですが、太陽の光をたっぷりと浴びて甘くてジューシーなスイカになっています。
自宅用としてお取り寄せするのはもちろん、贈答用やお祝いのサプライズにするのもびっくりして喜んでもらえそうですね。