こんかいわしとへしこは北陸の郷土料理で、テレビでもたびたび取り上げられていますよね。
一見どちらも似た食べ物のようですが、どのような違いがあるのでしょうか?
また、こんかいわしは自宅で手作りすることもできるので、作り方や焼き方、食べ方についてご紹介します。
こんかいわしとへしこの違い
こんかいわしとは?
こんかいわしとは「いわしの糠(ぬか)漬け」です。
北陸地方では春に水揚げされた大量のいわしを塩漬けしてさらにぬか漬けすることで長期保存を可能にし、冬の保存食として食べられてきました。
富山や石川では郷土料理として親しまれていて、そのまま焼いて食べたり、アレンジしてさまざまな料理に使われています。
こんかいわしの「こんか」とは、米ぬかのことを指しています。
昔は米ぬかのことを「こぬか」と呼んでいましたが、それがなまって「こんか」となり長年そう呼ばれるようになりました。
へしことは?
「へしこ」とは福井県の郷土料理で魚を塩漬けにしてさらにぬか漬けしたものをいいます。
長期保存食なので冬のたんぱく源として重宝されているんですよ。
いわしやにしん、ふぐなどで作られるへしこがあるのですが、中でもさばのへしこが一般的です。
「へしこ」とは魚を樽に漬け込むことを「へしこむ」といい、そこから「へしこ」となったといわれています。
地域によって呼び方が違うだけで、いわしのへしこ=こんかいわしということになりますね。
こんかいわし作り方
こんかいわしはお店で作るものは春に漬けて夏頃まで半年ほどおいて発酵させるのですが、自宅で作る場合にはもっと短期間で作ることができますよ。
【作り方】
①いわしの頭と内臓、うろこを取り除き、よく水洗いして水分を拭き取る。
②いわし全体に塩をふり、1時間置いておく。
③米ぬかと塩、たかの爪を混ぜて大きめの容器に入れる。
④ぬか床にいわしを入れて、このときお腹の中にもぬかを入れる。
⑤容器を冷蔵庫に入れて、3日ほど漬け込んだら完成です。
これなら自宅でも簡単に作れそうですよね。
多めに作ってすぐに食べきれないときは、1尾ずつラップに包んで冷凍保存もできますよ。
いわしを選ぶときは丸々とした新鮮なものを選ぶとおいしく仕上がります。
こんかいわし焼き方
こんかいわしを焼くときは、ぬかがついた部分は焦げやすいので手で軽く落としてからグリルで焼きます。
フライパンで焼く場合は、アルミホイルを敷いて焼くと焦げにくいですよ。
焼いたぬかは香ばしくてごはんが進むので、落としすぎないようにしてくださいね。
こんかいわし食べ方
こんかいわしは焼いてそのまま食べるのもおいしいのですが、いろいろな料理にアレンジできるんですよ。
石川県能登地方では「ベカ鍋」といって、こんかいわしと大根、白菜を酒粕と一緒に粕煮した料理があります。
また、県南部の白山市では「イジイジ鍋」という野菜の漬物とこんかいわしを煮込んだ鍋料理もあります。
どちらも寒い冬には体が温まるメニューですね。
こんかいわしは「能登のアンチョビ」といわれるほど、アンチョビの代わりとしても使うことができるんですよ。
アンチョビは塩漬けしたいわしをオリーブオイルに漬け込んだものなので似ていますよね。
こんかいわしを小さく切って、パスタや炒飯に混ぜたり、サラダやバーニャカウダにあわせてもおいしいですよ。
こんかいわしは臭い?
こんかいわしは臭いか臭くないかでいったら、発酵させた食品なのでどうしても独特な香りはします。
この臭みがたまらないという人もいれば、やっぱり苦手という人もいますね。
また、こんかいわしは塩辛いので子どものころは苦手だったけど、大人になってからごはんのお供やお酒のおつまみとして最高だと気付いてはまってしまったいう人もいますね。
塩辛いのが苦手な人は、大根おろしやお酢、レモン汁と一緒に食べると食べやすくなってよりおいしくなりますよ。
こんかいわしは通販できる?
北陸地方では手に入りやすいこんかいわしですが、その他の地域だとなかなか近所のスーパーには売っていないこともあります。
自分で手作りするのも少し躊躇してしまいますし、1度も食べたことがない人は本場の味をまずは味わってみたいですよね。
こんかいわしは通販でも手軽に購入することができるので、まずはお試ししてみるのがおすすめです。
油与商店さんのこんかいわしは、創業以来大切に使われ続けている木桶でぬか漬けされ、こだわりの素材で伝統の味を守っています。
いろいろなメディアでも紹介されているので、見たことがある人も多いのではないでしょうか。
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ふぐの子ぬか漬けも希少な珍味として評判がいいんですよ。
卵の1粒1粒がちゃんと残っていて、軽く炙って焼くとプチプチした食感がたまらないおいしさです。
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まとめ
こんかいわしもへしこも塩漬けにしてからぬか漬けした魚になります。
初めて食べる人にとってはクセがあるかもしれませんが、大人だからこそわかる味わいかもしれません。
北陸の郷土料理、食べてみてくださいね。