「やきとり」といえば鶏肉が串にささっているものと思いがちですが、北海道では豚肉が串にささっているのが定番なんですって。
他県民からすると、やきとりを注文して豚串がでてきたら、ちょっとびっくりしますよね。
どうして北海道では豚のやきとりが定番になったのでしょうか？
その理由や、「焼き鳥」と「やきとり」には実は違いがある、についてご紹介します。
北海道の焼き鳥は豚なのはなぜ？
北海道で「やきとり」というと、なんと豚肉が串にささっている！いわゆる「豚串」。
特に室蘭や函館の道南エリアに多いそうです。
中でも、室蘭市のソウルフード「室蘭やきとり」は有名なので聞いたこともあるのではないでしょうか。
豚肉と豚肉の間には長ネギではなくタマネギが入っていて、洋ガラシをつけて食べるスタイル。
なぜ、豚肉が使われているかというと、昭和12年に日中戦争が起こると食料増産や豚皮で軍靴を作るために養豚が推奨されました。
道南エリアには養豚場が多くあったことや、室蘭市では豚の肉と皮以外は食べてもよいとされ、屋台で豚のモツが扱われおいしいと人気がでたのも理由の１つです。
また、鶏肉よりも豚肉のほうが高カロリーでスタミナがつくことから、屋台で豚串をだすお店が増えて、いまもなお豚肉が一番人気なんですよ。
焼き鳥とやきとりの違い
北海道でやきとりを頼むと「豚串」がでてくるのが一般的ですが、北海道民以外の人からすると紛らわしいですよね。
やきとりは鶏肉が当たり前だと思っているので、北海道で鶏肉のやきとりを食べたいときは、「鶏肉のやきとり下さい」と言わないとなんだそう。
お店によっては豚肉の串焼きを「豚精（ぶたせい）」、鶏肉の串焼きを「鶏精（とりせい）」とメニューに書いてあるところもあるそうです。
いつか北海道に旅行にいったら確かめてみたいですね。
また、やきとりには漢字で書く「焼き鳥」とひらがなの「やきとり」があります。
焼き鳥は鳥肉を串にさして焼いたもので、やきとりは鳥以外にも豚肉や牛肉などを串にさして焼いたもの。
やきとりの方が広い意味で捉えられている感じでしょうか。
ちゃんと使い分けしているお店もあれば、焼き鳥屋で串にさして焼いているものであれば何の肉でも焼き鳥と呼ぶお店もありそうですよね。
日本三大やきとりについて
日本には「日本三大やきとり」と呼ばれる街があり、北海道室蘭市、埼玉県東松山市、愛媛県今治市がやきとりの街として有名です。
それぞれ特徴が違いますので、どんなやきとりなのかみていきましょう。
北海道室蘭市
室蘭市のやきとりは「室蘭やきとり」。
豚肉の間にタマネギが挟まっていて、洋ガラシをつけて食べるのが一般的です。
使われている部位は様々で、タマネギが挟まっているのは北海道が産地であり、長ネギよりも安く手に入るからなのだそう。
タレのついた豚肉とタマネギって合いますよね。
洋ガラシをつけるのはトンカツやおでんにつけていた洋ガラシをやきとりにもつけてみたら美味しかったことから広まったとのこと。
ピリッとした辛さが食欲をそそり、何本でも食べたくなってしまいますね。
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埼玉県東松山市
埼玉県東松山市のやきとりは、豚のカシラを使ったカシラ串になります。
カシラ肉とは豚のほほとこめかみの部分で、弾力のある歯ごたえが特徴です。
そのカシラ肉を炭火で丹念に焼き上げ、そこに辛味のきいたみそだれをつけて食べるんですね。
みそだれは白みそをベースに唐辛子やニンニクなどのスパイスをブレンドしていて、お店によってこだわりの味で作られています。
東松山市には約50件のお店があるので、いろいろなお店をまわって食べ比べてみるのも楽しそうですね。
愛媛県今治市
愛媛県今治市の今治焼き鳥は、串でさして焼くのではなく、鶏肉を鉄板の上で焼くというもの。
鉄板で焼くと、鶏肉からでる脂で揚げることもでき、重しでプレスすれば蒸すこともできるので、早く焼けるんですね。
早くできるのはせっかちな気質の今治の人を満足させているのだそう。
今治焼き鳥の中でも外せないメニューは「皮」。
皮からでる脂で焼き揚げられた皮は表面がカリっとしていて香ばしく、コリコリした食感が楽しめます。
皮といっても肉もけっこう付いているので、ジューシーな肉の旨味が味わえますよ。
まとめ
北海道のやきとりは豚肉を使っていて、長ネギではなくタマネギが挟まっている。そして洋ガラシをつけて食べるという、一般的な焼き鳥と比べるとちょっと違っています。
北海道以外にも各地域特有のやきとりがあり、刺している肉や焼き方、タレなどの違いがあり、なんともおもしろいです。
自分の知らないやきとりがいろいろとあるので、ご当地のやきとりを食べ比べしてみたいですね。