一般的に鬼は、赤鬼・青鬼・緑鬼・黄鬼・黒鬼の5種類が存在します。
鬼の色は人間の煩悩を象徴しており、色によって意味があるのです。
節分では、自分が追い払いたい煩悩の色の鬼に向かって豆を投げ、自分の心の煩悩を取り除くという目的もあるのですよ。
鬼の色にどんな意味があるのかご紹介していきます。
鬼の色の意味
仏教では、鬼は「煩悩」の象徴とされています。
煩悩とは、人が悟りに至る道を妨げる心の乱れのことで、108種類あると言われています。
その中でも特に瞑想や修行を邪魔する5つの煩悩を「五蓋(ごがい)」と言い、
・貪欲(とんよく)
・瞋恚(しんに)
・掉挙(じょうこ)
・惛沈(こんじん)
・疑(ぎ)
この5つがそれぞれ異なる鬼に対応しています。
節分の鬼の色は、体の色で異なる煩悩を表しているのですね。
節分の豆まきでは、自分が克服したい煩悩に関連する色の鬼に豆をぶつけることで、心の弱さに打ち勝てるとされています。
赤鬼の意味
赤鬼は「貪欲(とんよく)」を象徴。
強い欲望や執着を意味します。
豆を投げることで、自分の中にある悪しき心を浄化するといわれています。
青鬼の意味
青鬼は「瞋恚(しんに)」を象徴。
怒りや憎しみなどを意味します。
豆を投げることで、幸福感や豊かさ、福のある表情を手に入れる助けとなります。
黄鬼の意味
黄鬼(または白鬼)は「掉挙(じょうこ)」を象徴。
後悔や自己中心的な執着を意味します。
豆を投げることで、依存心や甘えを払拭し、物事を冷静かつ公正に判断できるようになる。
緑鬼の意味
緑鬼は「惛沈(こんじん)」や「睡眠(すいめん)」を象徴。
怠惰や不真面目さを意味します。
豆を投げることで、不健康な習慣を見直し、健康的な生活を意識するきっかけとなります。
黒鬼の意味
黒鬼は「疑(ぎ)」を象徴。
疑念や愚痴を意味します。
豆を投げることで、卑しい思いを追い払い、穏やかで落ち着いた心を取り戻す。
鬼の色は5つの煩悩を象徴していることがわかりましたね。
節分の鬼たちは、単なる悪の象徴ではなく、私たち自身の内面と向き合うきっかけを与えてくれる存在なのです。
節分では追い払いたい煩悩の色を意識してみるのもいいですね。
節分に豆まきをする理由
節分では「鬼は外、福は内」という掛け声と共に、鬼を悪や災厄の象徴として豆を投げるこの風習は昔から続いています。
昔から、自然災害や飢饉、疫病といった人間の力では抗えない出来事は、鬼の仕業と考えられてきました。
季節の変わり目にあたる立春の前日、つまり節分は、鬼=邪悪な気が入りやすい時期とされています。
そこで、新しい年を迎えるにあたって家の中の鬼を追い払い、福を招き入れるために豆まきが行われるようになったのです。
鬼はあらゆる場所に潜んでおり、油断すると悪さを始めます。
それは人の心の中にも例外ではありません。
そのため、豆まきの後には豆を食べることで、自らの心に潜む邪悪な気持ちも払い清めるとされています。
まとめ
節分では、家中の鬼を追い払ったり、自分の心の中を清めるために豆まきをして、気分一新したいですね。
鬼の色には意味があるので、自分が打ち勝ちたい煩悩の色を考えてみるのもいいですね。