カップの下におく受け皿のことを「ソーサー」といいます。
現在は受け皿として使われていますが、元々はソーサーに飲み物を移して飲んでいたのだそう。
元々の使い方と現在の使い方、ソーサーのマナーについてご紹介します。
ソーサーは元々なんのためにある?
17~18世紀のイギリスやフランスでは、カップに入っている熱い飲み物をソーサーに移して飲んでいたのです。
ソーサーに移すことで、熱を冷まし飲みやすくしていたんですね。
当時のカップは取っ手がなかったため、熱い飲み物は持ちにくく、ソーサーは大きくて深さもあったといいますから、移して飲んだ方が飲みやすかったのでしょうね。
18世紀後半になると、取っ手付きのカップが普及し、次第にソーサーに移して飲むのは「上品さに欠ける飲み方」だとされるようになりました。
そこからソーサーは飲むために使う役割から、受け皿としての役割に変わっていったのです。
現代のソーサーの使い方?
現代のソーサーの使い方は、カップとソーサーのセットで使うことで便利なことがあります。
・ティースプーンを置く場所
・砂糖やミルクを添える場所
ソーサーがあることで、使用したティースプーンの置き場所にも困りませんし、砂糖やミルクを添えて出すことができますよね。
また、カップとソーサーの統一されたおしゃれなデザインを目で見て楽しむこともでき、優雅なひとときを過ごすことができます。
ソーサーを使うときのマナーは?
カップとソーサーで出されたときの、気になるマナーを見ていきましょう。
ソーサーを持ち上げて飲む?
飲むときにソーサーも持ち上げて飲むべきかについては、正しい決まりはありません。
状況によって使い分けるのがよいとされています。
〇カップから口元までが近い場合
ダイニングテーブルに座っていて、置かれているカップから口元までが近い場合には、ソーサーを持つ必要はないでしょう。
〇カップから口元までが遠い場合
ソファに座っているときや、立食のときなど、置かれているカップから口元が遠い場合は、ソーサーを持ったほうが安全でよいでしょう。
スプーンを置く位置は?
〇お客様に出すとき
スプーンはカップの前におきます。
カップの後ろに置くと、使おうとして持ち上げたときに、カップに当たって音が出てしまうからです。
ただ、スプーンを前に置くことで、せっかくのデザインが見えなくなってしまう場合には、後ろに置いても問題ありません。
〇使用した後
スプーンを使用した後は、カップの後ろに置きます。
飲むときにカップを持ち上げたとき、カップとスプーンがぶつかり音が出るのを防ぐためです。
カップの持ち手の向きは?
カップの持ち手の向きは、「どちらでもよい」とされています。
右向きと左向きで、それぞれ理由があるんですよ。
〇左向き
左向きは、イギリス式といわれています。
砂糖やミルクを使うときに、右手でスプーンを持ち、左手で取っ手を持つことができるので、砂糖やミルクを使う人には適しています。
スプーンを使った後は、ソーサーの上で取っ手を右側に半回転させてから持ち上げます。
〇右向き
右向きは、アメリカ式といわれています。
右手で持ってすぐ飲めるので、ブラックで飲むときに適しています。
また、カップの絵柄を見て、華やかな絵柄の面を飲む方に向けて置くのもよいでしょう。
ソーサーをお皿代わりに使ってもいい?
ソーサーをお皿の代わりとして使うのは、賛否両論あります。
くぼみがあるソーサーをお客様に出してしまうと、ソーサーであることがバレバレで、恥ずかしい思いをするかもしれません。
自分用に使う分には、自分が気にならなければ使っている人も多いようです。
特にお気に入りのデザインなら、大切に使いたいですよね。
くぼみがないタイプであれば、カップとソーサーとしても使えるし、カップとお皿としても使えるので便利です。
☆アラビア ブラックパラティッシ【楽天市場】
まとめ
昔はソーサーはカップの飲み物を移し替えて飲むためのものでした。
現在では、受け皿としてスプーンや砂糖を置くために使われていますが、見て楽しむものでもあります。
おしゃれなデザインのソーサーは、ティータイムを優雅な気分にさせてくれますね。