えのきは、生で食べると食中毒になる危険があります。
ちゃんと加熱して食べれば大丈夫なのですが、どれくらい加熱すればよいのか気になるところ。
そこで今回は、えのきの生食が危険な理由や、えのきによる食中毒の症状、どれくらい加熱すれば安心なのかについてご紹介します。
えのきの生食が危険な理由
えのきは、生で食べると食中毒やお腹を壊す可能性があります。
その理由について詳しく見ていきましょう。
フラムトキシンを含むため
生のえのきには「フラムトキシン」と呼ばれる毒性を持つたんぱく質が含まれています。
フラムトキシンは、赤血球を壊す「溶血作用」を有する有害な物質であり、細胞を破壊して貧血を引き起こす原因となります。
えのきを生で摂ると、このフラムトキシンを摂取することになり、場合によっては中毒症状が現れる可能性があります。
リステリア菌に感染の可能性
生のえのきには、「リステリア菌」が付着している可能性があります。
リステリア菌は、さまざまなところに存在する細菌で、食中毒の原因の一つであります。
感染すると悪寒や発熱、嘔吐などの症状が現れることがあります。
リステリア菌による食中毒は、通常、健康な大人ではそれほど重症化しないとされています。
ただし、妊娠中の方や高齢者、免疫機能が低下している方は、特に重症化のリスクが高まるため、十分な注意が必要です。
リステリア菌は熱に弱く、加熱すれば死滅するので、75℃以上で1分以上加熱するとよいでしょう。
生のえのきを食べるとどんな症状がでる?
生のえのきを食べると、次のような症状がでることがあります。
・貧血
・動悸
・下痢
・嘔吐
・発熱
・筋肉痛
フラムトキシンの溶血作用による貧血症状により、だるさや動悸、息切れが起こる可能性があります。
また、リステリア菌による食中毒の症状では、下痢や嘔吐したり、発熱や悪寒などのインフルエンザのような症状がでる可能性があります。
アメリカでは、えのきの生食による死亡例も報告されています。
えのきを生で食べるのは非常に危険なため、必ず加熱して食べないといけませんね。
えのきの食中毒は何時間後におこる?
生のえのきを食べて食中毒になった場合、早いと1時間程で症状がでることがあります
発症までの時間は、その原因となる菌や毒素にもよりますが、一般的には2時間~48時間といわれています。
人によって時間は違ってくるので、もし生のえのきを食べて食中毒症状がでたら病院を受診するようにしましょう。
えのきの加熱時間は何分?
フラムトキシンやリステリア菌は熱に弱いため、加熱すれば安全に食べることができます。
調理方法によって、どのくらいの時間加熱すれば安全なのかを見ていきましょう。
湯通し
湯通しの場合は、熱湯で1~2分しっかりと火を通せば大丈夫です。
湯通しをすると全体にムラなく火が通るため、短時間で加熱できるだけでなく、より安全に食べることができます。
電子レンジ
電子レンジで加熱する場合は、600wで2〜3分加熱します。
耐熱容器に入れて、少量の水を加え、ラップをかけて加熱します。
電子レンジはムラができやすいため、よくほぐしてから耐熱容器に入れ、途中で混ぜて再加熱するとよいでしょう。
フライパン
フライパンでえのきを焼く場合は、3分以上は加熱するようにしましょう。
全体にムラなくしっかりと火が通るように、時々混ぜながら加熱してくださいね。
生食できるえのきはある?
最近では、特殊な栽培方法によって、生食で食べられるえのきも作られています。
生食用はサラダなどに使われ、シャキシャキとした食感を楽しむことができます。
サラダ料理に向いている「サラダえのき」という商品は、サッと熱湯をかけて、冷水で冷やして食べまることができます。
生食用かどうかは必ず表示で確認し、調理方法についても記載されている注意事項をよく見てから食べるようにしましょう。
まとめ
えのきは生で食べると、嘔吐や下痢、発熱といった食中毒の症状が出る場合があります。
そうならないためにも、加熱ムラがないように、しっかりと加熱してから食べるようにしましょう。
特に電子レンジやフライパンで調理する際は、全体に火が通っているかよく確認してくださいね。